- 面白さ:★★★★
- 絵の楽しさ:★★★★
- 4歳男子食いつき度:★★★★★
- 0歳5ヶ月男子食いつき度:★
- 大人が考えさせられる度:★★★★★
長男の大好きな「ばばばあちゃん」シリーズの絵本。
この「やまのぼり―ばばばあちゃんのおはなし (こどものとも傑作集)」は、初夏の爽やかな陽気の頃にオススメの一冊です。
ストーリーはこんな感じ
「いよいよ はるだねえ。てんきもいいし やまのぼりでもするか」
お天気がいい日、「やまのぼりでもするか」と思いついたばばばあちゃん。
それを聞いたこねことこいぬは「さんせい さんせい」と森の友達たちを呼びに行きます。
みんな沢山荷物を持って集合。こんなに荷物が多くては山登りはできない。
みんなが困っていると・・・
「そうだ、めいあんが あるよ。とおくに いかなくたって、やまを こっちに つくっちゃえば いいじゃないか」
とばばばあちゃんが名案を思いつきました。
みんなのお家からカーテンを集めてきて、それを縫って一枚の大きな布にして、ばばばあちゃんの家の屋根にかけると・・・
「やっぱり、おもったとおりだよ。きれいな やまじゃないか。」
できあがった山で、みんなで山遊び。
お弁当食べて、遊んで・・・素敵な時間を過ごします。
4歳男子の反応はこんな感じ
いつもながら、絵本のリズミカルな文章とばばばあちゃんの豪快さに、長男は虜。
例えば、山登りに行こうと森の仲間たちが沢山の荷物を持って集まるシーン。
あめだま おもちゃ、えほんにたいこ、ボール、らっぱもいいな・・・
と、どんどん増える荷物の様子を、「たいこはどこ?」「らっぱはここにあった!」と絵を見ながら楽しんでいます。
また、カーテンを縫い合わせて山にするシーン。
ばさっとカーテンを広げて山にする様子に、ニコニコ。
色使いもキレイですし、楽しい内容で、とても気に入っていたよう。
図書館でこの絵本を借りてきてから返すまでの2週間、毎晩のように寝る前の読み聞かせにリクエストされました。
面白いだけでなく、大人も考えさせられます
今回のばばばあちゃんの何が素敵って、子供たち(森の動物たち)が用意した荷物を否定せずに、代わりに「山を作ろう」と考えちゃうところ。
普通の大人の視点であれば、荷物を全て持っていこうとする子どもに対して「ダメダメ」「もっと荷物を少なくしなきゃ」と言い聞かせるところですが、ばばばあちゃんは子どもの視点に立って、子どもの気持ちを尊重しつつ子どもが楽しめる状況を考え出します。
「子どもの視点に寄り添って大人も楽しむ姿勢」みたいなものが表現されていて、とても考えさせられました。
そういえば子どもに大人の都合を押し付けてしまっていることって多いかも。忙しい毎日の中で、なかなか子どもの視点に寄り添う余裕が持てないことも多いけど・・・
子どもが「こうしたい!」と言ったムリなことに対して最初から否定しちゃうんじゃなくて、子どもの気持ちを尊重しつつ、大人も楽しんじゃいながら代案を考える、こんなことをもう少しできたらいいなぁ。
そんな風に考えさせられました。